最初は不安に思っていたこうした2人きりの旅も、
いつしか少し気分に余裕が出て来たように感じました。
歩く道は平で柔らかな草地が多く、それほどつまづくこともなく順調でした。
こうしてどんどん2人はケラアンから遠ざかり、
5日目にリッアの森の入り口までたどり着くことが出来ました。
森はうっそうと茂る蔦が
康泰導遊からまって、
どこからも入ることが許されない、人を寄せ付けない雰囲気が漂っていました。
「ちょうどいいや」ケビンは思いました。
入り口があったら入りたくなると思うから。
ケビンは、その森の茂みと野原の間の道を、
山のほうに向かって進みました。
森の際を歩き始めて2日目、ちょうど太陽が真上に近い頃
2人の歩いていた前方が急にひらけました。
行く先は大きな崖になって落ち込んでおり、
広い広い森が崖の下に広がっています。
真っ白な岩肌の崖は右を見ても左を見てもどこまでも続いており、
崖のずっと下に若くて細い木の森が広がって
森の中に大きな川の水のノロノロとした流れがあるのがここからでもよく見えました。
川の向こうに続く森はここからだと見晴らしが良く、
遥か遠くに霞む、雪で真っ白
康泰旅遊になった山脈が見えました。
「あれがタラ山脈だな」
ケビンはこころの中でホッとしました。
~リツァの森沿を山へ向かいし先、大きな流れに突き当たる、
流れの彼方に雪に覆われたるタラの山々、その入り口に
アンガラの郷、花多き谷あり・・・~
山への入り口がどこにあるのかはここから見た限りではわかりませんでした。
でも、このままこの大きな
康泰旅遊川を渡って森を突っ切って、
山脈へ近づいて行けば、何か手がかりがあるかもしれない。
幸い、川の向こうに広がる森は木が若いのか、それとも
そういう種類の木なのか、
細い幹の低い灌木の集まりのように見えました。
恐ろしい暗い森とは違って風通しもよく、太陽の光も地面まで届き、
それほど用心しなくてよさそうです。
「川を渡るには、まずこの崖を降りないとな」